今回は『バトルホーク』を題材としました。本作は当時東京12チャン
ネル(現.テレビ東京)での放送であり、しかも途中打ち切りとなった
ため、その知名度は極端に低い。
また製作には『チャージマン研!』で有名なナック(現.ICHI)が参加
しているため、カルト作品として語られることが多い。しかし本作を
「ネタ作品」として楽しもうとする最近の風潮には、些か疑問に感じる。
確かに予算は低く、制作にも不慣れであるため、粗は目立つ。それ
でもアクションを主体とした娯楽要素や「家族の絆」とテーマとした
ストーリーは、再評価されるべきであろう。
それは本作のヒロイン・楯ユリカに関しても同様であり、彼女が他の
女優のように語られる機会は少ない。しかしユリカは、変身(化身)・
アクション・ヒロピン・セクシー要素等を兼ね揃えた「王道ヒロイン」
と言えるだろう。本誌では、そんな彼女の魅力をしっかり誌面でお伝
えしたい。また本作は大手制作会社とは異なるテイストを多く含んで
おり、それはヒロイン描写でも随所で確認できる。それらを細かく抽出
することで、彼女独自の魅力に迫ってみたい。さらに本役を演じた
深田ミミ氏にもスポットを当て、彼女の出演履歴や活動状況を網羅
することで、女優業の中での本作の位置付けについても考えて
いきます。
今回本誌のテーマは「無名ヒロインの逆襲」としました。マイナー
ヒロインであるユリカの魅力がより多くの方々に認知されることで、
彼女に光が当たることを願ったものです。合わせてカルト作品と称され
る本作もその内容が広く知れ渡ることで、その正統な評価が得ること
を望んでいます。本作に対する意見は人それぞれですが、本誌が
皆様の見識を深める手助けとなるなら、これ以上の喜びはありません。